正月に飲む、お屠蘇について
最近では、お屠蘇(とそ)を飲む方が減っているようで、店頭でお屠蘇を飲んだことがあるかどうかを尋ねたところ、20代に限らず、40-50代の方でも飲んだことのないことに加えて、ご存知のない方も結構いらっしゃいました。
お屠蘇は、邪気を払うために飲む薬酒であり、縁起物です。お屠蘇の原料となる屠蘇散の成分には、薬用植物(生薬)のケイヒ、ハマボウフウ、チンピ、チョウジ、キキョウ、ビャクジュツ、サンショウ(栃本天海堂製)が入っています(注:文献や製造元により、構成生薬の違いはあります)。
これらには、胃腸の働きを整え、体を温めるはたらきがあります。
一般的には、年末年始にかけて、外出して普段の生活で飲食しないものを口にし、またその量も増えるので、新年から胃腸が元気にはたらいてくれるように、屠蘇散を酒(または、みりん)に浸けて、飲むことは縁起物としてだけでなく、とても利にかなっていることなのです。
2016年12月28日