けやきのすくすくブログ
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葛根湯(かっこんとう)の正しい使い方

風邪のひき始めや肩こりに飲む漢方で、葛根湯(かっこんとう)が有名です。当店では、お客様に「風治散 (ふうじさん):商品名」をご案内しています。
分かりやすくいえば、葛根湯は、すぐに(空腹時なら服用15分程度で)体を温めて、血流を良くするお薬です。但し、瞬間的に体を温めるため、効果は長続きしません。

お客様から、「葛根湯を風邪のどんなときに使うと良いのか?」というお問い合わせをいただきます。中には、風邪のどんなときにも使えると、誤って解釈されているケースもあります。

改めてこの場で適切な使い方をお伝えしますね。

「ぞくぞくと寒気がする(例えば、洋服を着こんでも寒さがとれない)」、「体の関節が痛い(肩~首・頭にかけて『こる』ことも含みます)」といった、いつもと違う寒気や痛みがあり、風邪をひいたかもしれないな、という時に、葛根湯を飲みましょう。これらの症状が出たら、即座に葛根湯をお湯(熱湯でもOK)に溶かして飲みます。症状がとれるまで、3時間ごと(食前食後に関わらず)に1日3回飲むと良いでしょう。

インフルエンザ様の症状の時にも使えるので、病院・医院で診察を受けるまでのつなぎの薬(進行を防止するため)としても活用できます。
いざというときのために、手元に置いておきたい薬、また家庭に常備しておきたいお薬です。

世間ではよく、風邪をひいて3日以内に葛根湯を飲むと言われていますが、現実には3日も経過すると寒気を通り越して、他の症状(咳や鼻水など)が出ています。寒気がないのに鼻水や咳を治すために、葛根湯を飲んでもあまり効果はありません。咳や鼻水には、他のお薬を使います(当店では、まずヒューゲン錠や、ホノビエン錠をご案内します)。

葛根湯は他の使い方もできます。体を温め、(特に肩~首・頭にかけての)血流を良くする効果を利用して、軽い鼻づまり、肩・首のこり、頭痛、授乳中お乳が張っているのに母乳の出が悪い場合のしっかり母乳を出したい時などに使うことができます。

 以上、いいことを連ねて書きましたが、注意点があります。
葛根湯は、体質改善薬ではありません。原料の麻黄が交感神経を高める作用があるため、漫然と飲むことは避けましょう。また、一般的に、風邪のひき始めでも、汗の出ている時は使わないほうがよいと、されています。
また、胃腸の弱い人が葛根湯を飲むと、胃痛や胃もたれをおこすことがあります。香蘇散や参蘇飲が良いです。(当店では、まず「清香散(しんこうさん):商品名」をご案内しています)。

 葛根湯の中でも、「風治散(ふうじさん):商品名」は、漢方の原典どおりに忠実に製造されています。ひと手間かけてつくられた、こだわりのお薬です。一般的に処方・販売されている葛根湯と比べて、香りがよく、お湯に入れるとさっと溶けるのが特徴です。お客様にご提案してきた私の経験上、風治散は動悸などの副作用が出にくいです。

修正・加筆 2024.11.12

2018年2月16日