体の湿気を取り除いて 体調を整える
今年の7月は、雨降りが続きました。梅雨明け宣言はまだ出されていません。
体がだるくてやる気が出ない、という方がいらっしゃったら、体に「湿(余分な水分)」を蓄えているからかもしれません。「湿」を体に取り込むと体の重だるくなって身動きするのがおっくうになったり、体が腫れぼったくなったりします。
梅雨と梅雨明け後の夏は、一年の中でも、体に「湿」を取り込みやすい時期です。
梅雨の時期に、体調を整えるための過ごし方、お勧めの食べ物をご紹介します。
お勧めの過ごし方を聞くと当たり前のように感じるかもしれません。しかし実際にお客様と健康相談していると、見落とされていたり、わかっているようでも継続が難しかったりするようです。
まず、水の摂り過ぎに注意をしましょう。水の摂り過ぎ、摂らなさすぎ、どちらの場合も体の不調を招きます。過剰に水を摂り過ぎると、「湿」を溜めやすくなります。こまめなちびちび飲みをお勧めします。
また、「湿」は「脾・胃(胃腸)」に影響しやすく、消化吸収機能を低下させ、食欲不振や消化不良、下痢などを起こしやすくなります。食べ物からうまく栄養を吸収できないでいると、その結果気力も体力も低下してしまいます。
梅雨が明けると、いよいよ夏本番です。
暑いからといって、冷たいものの摂り過ぎは、「陽気(エネルギー)」を消耗させ、「心(心臓の拍動による循環)」「脾(胃の働き)」を傷めます。冷たいもの(食べ物・飲み物)は控えめにしましょう。実際のところ、ビール好きな方に「ビールを冷やして飲むと、のど越しがよい、やめられない」といわれます。摂り過ぎには充分気を付けていただきたいところです。
以上、お勧めの過ごし方としては、
水の摂り方に気をつけて「湿」を溜めないようにすること、冷たいものの摂取を摂り過ぎないようにすること(控えること)を心がけましょう。そのうえで、胃腸機能を整える食材を積極的に摂りたいですね。
〇おすすめの食材
「湿」を取り除き、胃腸機能を整える食材
小豆、枝豆、サヤインゲン、ハトムギ、冬瓜、ニンニク、ハモ など
〇おすすめの漢方薬
藿香正気散(かっこうしょうきさん)
胃腸の湿を取り除きます。夏バテによる食欲不振、下痢(食あたりにもよいです)、胃腸型の風邪等に使います。妊婦さんも安全に飲むことのできるお薬です。
参考図書
きょうの健康 2016.7、小太郎漢方製薬ホームページ、中医学入門 神戸中医学研究会(編著)