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ワクチンの役割について

 3月14日(日)に、自然薬研究会のオンライン講演会がありました。演題「新型コロナウイルス感染と免疫:ワクチン理解の為に」で、講師は宮澤 正顯先生(みやざわ まさあき:近畿大学医学部 免疫学教室主任教授)でした。宮澤先生は、ウイルス感染防御に役立つ、免疫細胞(メモリーT細胞の反応)の研究をしています。今回、約2時間にわたりお話くださいました。

 一般的にワクチン接種が推奨される理由は、「免疫細胞であるTリンパ球(白血球の一部)を活性化させることが目的です。但し、ワクチンを接種したとしても、免疫細胞(Tリンパ球)が活性化しなければ体内でウイルスの増殖を防ぐのに効果はありません。」と話されていたことが印象的でした。ウイルスが増殖したときに、ゆっくりと活性化したTリンパ球が感染した大量の細胞(肺胞など)を排除に働くことが重症化する原因とのことでした。

 その一方で鼻風邪コロナウイルス(従来から存在するウイルスで、重症化しにくいもの)に対する交差反応で、新型コロナウイルス抗原に反応するTリンパ球を健常人(新型コロナウイルスに感染した人だけでなく)検出可能と、海外医学誌の論文を紹介されました(Grifoni et al. Cell、181:1489-1501,2020)。

 以下は、あくまでも 私(岡北)の意見ですが、ワクチンを接種しない選択をする場合は、ウイルスが体内に入った時、自分の免疫細胞(Tリンパ球)を円滑に活性化できるかどうかが大切です。

 ワクチン接種する場合と、しない場合、共通していえることは、健康な時から免疫細胞が活性化し働くように備えておくことです。そのためには、充分な睡眠、バランスのとれた食事、もう一つの免疫のが働く器官である腸を整えること(快便にする)、運動が大切です。強い不安感や継続するイライラも睡眠の質を下げ、疲労感を蓄積させます(その結果、体力を消耗します)。基本に立ち返り毎日を過ごしてゆきたいです。

2021年4月9日