マスク肌荒れに用いている漢方薬
新型コロナウイルスの流行を迎えてから2回目の夏を迎えました。
マスクをつけた状態で社会生活を送るため、肌のデリケートな方は、顔の覆っている部分が呼吸や体温で熱がこもって荒れたり、擦れや汗でかゆみを起こしたりしやすくなっています。
一般的には不織布マスクは、布製のものと比べると、ウイルス感染を起こしにくいといわれていますね。とはいえ、不織布マスクは、布製よりも通気性が悪いのでマスク内の温度が上がったり、蒸れたりしやすいだろうと思います。
私(岡北)は、仕事の時は不織布のマスク、プライベート時には布マスクを付けて、ONとOFF時で使い分けをしています。
マスク肌荒れをしている方は、布マスクを付けていてもかぶれやすくなっているようです。
マスク肌荒れの場合も、一般的な皮膚炎と大きな区別をせず漢方の選薬しています。肌荒れを起こしている背景をに着目しています(体質の把握も含めて)。
ヒリヒリやゴワゴワ、熱をもっている、かゆみが強いといった炎症を起こしている場合は、患部の熱を冷ます漢方薬(桔梗石膏など)を使用します。肌のほてりや乾燥によるかゆみのある場合には、腎陰(じんいん)を補う漢方薬(六味丸ベースのもの)で潤すようにします。また、もともと乾燥肌で血虚(けっきょ)体質の方(手足が冷えやすい、髪がパサつく、ツヤがなく抜け毛が多い、爪が薄くて割れやすいなど)には、体質改善目的で血(けつ)を補う漢方薬(四物湯ベースのもの:エッキ錠、婦人宝など)を用いて実際に改善へつなげています。
そして、質の良い睡眠や保湿などのスキンケアや、食事の改善にも取り組んでいただいています。
症例
20代女性 やせ型、デリケート肌、頭皮、ほお、首に赤みあり。
顔の肌荒れのため半年以上病院に受診。
来店時はマスク内の肌の赤み(ほお)が目立っていました。
漢方薬(炎症をとる石膏の入っているもの、又は腎陰を補うもの、お血をとるもの)を体質・症状に合わせて組み合わせ、7-14日分ずつお出ししました。また食事改善(朝食にお味噌汁をとる、食物繊維をしっかりとる)を実践していただきました。
2か月経過後、赤みが和らぎ、肌のゴワゴワや擦れが目立たなくなってきました。
現在、体質改善をする目的で、四物湯ベースの漢方薬を服用されています。