けやきのすくすくブログ
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お腹の冷えは、「体の冷えと さまざまな不調」をつくる

 夏に食べる物・過ごし方で、次にやってくる秋冬に、冷え・むくみ、それらからくるさまざまな不調(めまい、耳鳴り、体のだるさなど)を軽減することができるか、楽に過ごせるかを決めます。

 漢方医学では、消化器全般の消化機能、栄養代謝、栄養物と水分の輸送などの機能系などのことを「脾」といいます。「脾胃」により生命活動を維持するのに必要な栄養素を運搬、産生をし、供給をします。「脾」は体の中心を担う臓器といえます。

 冷え症について、例えば手や足がぽかぽかと温かく感じられていたり、顔や背中に汗をかきやすい状態であったりしても、お腹が冷たいのなら「冷え症」ととらえます。自然療法の第一人者として知られている医師 石原結實氏の著書「石原結實の絶対健康法」では、「お腹の冷えをセルフチェックするには、おへそより上の部分とおへそより下の部分を触ってみて、温度が変わっていないかどうかを調べます。おへそより下が冷たい人には、生理痛、生理不順、冷え症、むくみの症状がみられます。」と書かれています。

 消化管から分泌される「消化酵素」は、食べ物を消化して体にとって必要な栄養素を取り出し、小腸から吸収しやすくしたり、細胞が活動するときに、必要なエネルギーに転換したりするときの変化の仲立ちをする役目があります(触媒)。酵素が最も活性化され、最大限に働くことが出来るのは37℃の時です。酵素が一番働きやすい環境を作り出すため、体温は恒常性の維持により一定に保たれるようになっています。酵素は温度が上昇しすぎると途端に反応が遅くなります。その一方である温度以下の場合、酵素の働きが悪くなります(参考:「看護のため正常・異常ガイドブック」 昭和伊南総合病院健診センター長・医師 山田幸宏(著))

 冷たいものを摂り過ぎると、胃腸が氷嚢(氷袋)のようになり、消化器の温度が下がります。腸の働きが弱り、下痢や便秘になります。消化するための酵素の働きも鈍くなるでしょう。食べ物の消化を高め、栄養素が体に充分に摂り込まれるようにするために、お腹を冷やさないように気を付けることが大切です。

 漢方医学では、漢方の服用はもとより、日常の食事、生活の送り方(養生)を重視しています。食事の内容や生活の送り方で体がつくられています。
 
 例えば、冷え症を改善するために、漢方薬や健康食品を飲んでいたとしても、毎日生野菜・果物で作られたスムージーや冷製サラダを食べていたり、入浴はシャワー中心(シャワーと組み合わせて足湯をしていたら良いです)であったりの生活を送っていると、漢方薬などの効果が充分に発揮されません。

 冷え症でお困りの方は、夏になったばかりの今、食事や生活を点検してみて下さい。上記に挙げたことに気を付け、改善していくだけでも冷え症が緩和されることがあります。

 私(岡北)のこれまでのカウンセリングの経験から言えば、寒さが厳しくなってから冷え改善に取り組むよりも、夏から取り組んでいった方が冷えと、冷えからくるさまざまな不調はより早く改善できます。その上、秋冬も楽に過ごせるようになります。

2022年5月5日