速歩の有効性について
健康生活を長く続けていけるようにと、運動や食事に関心をもつ人が増えています。毎日1万歩をゆっくりと歩くのと、ややきつい位の速歩を取り入れて30分(3000歩前後)を歩くのとでは、どちらが太ももに筋肉がつくと思いますか?
書籍『「早く歩く」人は体も心も超健康!』 信州大学大学院 医学系研究科教授 能勢博(著)によると、答えは意外にも後者だそうです。
前者は、1.5時間ほど歩くのにもかかわらず、太ももの筋肉が増えていませんでしたが、後者で筋力、体力、持久力などの14の効果がみられたそうです。6000人以上の統計の結果です。例えば、筋力がつく、生活習慣病の数字が20%改善、血管が若くなる、無理なくダイエットできる、よく眠れる、ストレスに強い、がんの予防などです。
速歩の方法は、ややきつい位の速足で歩き、少し疲れたなと思ったらゆっくり歩くことです。「インターバル速歩」と呼ばれます。具体的には「速足3分間」と「ゆっくり歩き3分間」を30分間交互に繰り返します。基本的には1週間のうち30分×4日行います。時間の取れない場合は、週末に120分まとめて歩く、又は1回10分を1日3回×4日歩くことでも良いそうです。
歩く時間はいつでも良いです。お勧めは体が温まっている夕方4時くらいに歩くことです。筋肉痛や肉離れをしにくいです。朝食前に歩いても良いのですが、まだ体の硬い時間帯です。歩く前に水分補給をすること、歩く前と歩いた後にふくらはぎ、腕、股関節、太ももの内側、股関節、腰などのストレッチ運動を充分にしましょう。
注意点は、「脚やひざに痛みを感じる」「頭痛がする」「血圧が普段より高い」などいつもと少し違うなと思ったら絶対やらないことです。6000人以上の中でインターバル速歩中に心筋梗塞など重病になったケースは一人もいないそうです。
その他、書籍の中で、歩くときの姿勢・脚の運び方、天候の良くない日の室内運動、脚の痛みのある人向けの水中ウオーキング法など、具体的な方法が書かれています。興味のある方は、ぜひ読んでみてください。(岡北)
参考書籍
「早く歩く」人は体も心も超健康! 能勢博(著)
腰・ヒザの筋力をつけたいなら「メリハリ速歩」がいい! 細田諒(著)、能勢博(監修)