夏から秋の健康管理 熱中症、水の摂り方、お勧め漢方
冬に起こる不調の対策は、夏の間に養生しておくことが大切です。東洋医学では、「冬病夏治」という考え方があります。
そして、涼しくなるまでは脳梗塞と熱中症に注意です。体の外から暑邪(暑さが原因の邪気)と湿邪(湿っぽい気候による邪気)により、のぼせやほてりが出たり、体が重だるくなったりします。
こもった熱を取る食材は、なす、トマト、きゅうり、にがうり、とうがんなどがあります。陰(体の潤いのもと)を補い、体を潤す食材は、しじみ、パイナップル、なし、はちみつ、れんこんなどです。キュウリなどのウリ類は、体を潤しながら、余分な水を取り除く働きがあります。秋は、空気が乾燥するので、体を潤す食材を今から少しずつ取り入れていくと良いです。
汗をかいて脱水状態になると、血液の粘度が上がります。血管の傷んでいる部分で血液が固まって脳梗塞になりやすくなると考えられています。
医療施設では特に高齢の方に対し、脱水症予防のため水分摂取をするように勧めています。高齢になると、口渇中枢機能の低下や、筋肉量の減少で、のどの渇きに気が付かないことや、水分を蓄える機能が低下するからです。
ただし、水の摂取量が多いほど脳梗塞を予防できるという医学的な裏付けは、現時点で出ていないです。水の過剰な摂取で、むくみ、夜間頻尿、心臓へ負担を増すなどの要因になるといわれています。ですので、こまめなちびちび飲みをお勧めします。
体の血管を全部つなぐと10万キロメートルの長さになると言われ、それは地球二回り半の長さに相当します。血管のうちの99%は、毛細血管が占めています。毛細血管の太さは、髪の毛の太さの1/10くらいです。そんな細い毛細血管は、血管を拡張したり、収縮したりして体温調節をする役目もあります。
愛媛大学医学部附属病院の抗加齢・予防医療センター長、伊賀瀬道也氏によると、「20代、30代と70代を比較すると毛細血管の量が少なくなっている」と伝えています。また、日経Gooday(WEB)2019.12.1では「若者に比べ、高齢者では加齢や生活習慣などにより毛細血管が傷んで機能しなくなる、という記事もあります。40%の毛細血管が機能しなくなっている」と伝えています。高齢の方の熱中症のリスクが高い理由がここにもあります。適切な水分補給と血流対策が、脳梗塞と熱中症対策のポイントです。
夏からの疲れの予防と改善には、「ササイサン」・「紫華栄」を1日1-3回飲むのがお勧め。
熱中症や脱水症の予防と改善、体力の回復には「生脈散(しょうみゃくさん)」があります。生脈散には体を潤す作用があり、肺の機能丈夫にする働きもあります。
水の摂り過ぎや冷たい飲食物による胃腸の不調には、カッコーサン(藿香正気散:かっこうしょうきさん)。体を適度に温めながら、余分な水を体外に出す働きがあります。(岡北)
参考書籍、資料
NHKきょうの健康 2016年8月号
日経Gooday(WEB)2019.12.1
血管をピチピチに若返らせる本 栗原毅(著)