秋から冬にかけての健康管理 気圧の変動について
店頭で、来店されるお客様と話をしていて、真冬と比べて、秋から冬にかけての体調管理が苦手だとおっしゃる方は多いように思います。
秋から冬、冬から春など季節の変わり目や気圧の変化する時に起こる心身の不調は、気象病と言われています。気象病は西洋医学の正式な病名ではなく、症状の名称で、自律神経の乱れで起こるそうです。具体的には、めまい、耳鳴り、頭痛、肩こり、神経痛、憂うつ感、不安感などです。
耳の奥にある内耳は、常にリンパ液で満たされていて、体の平衡を感じ取る器官です。気象病はこの内耳にあるリンパ液が過剰に増えることが要因と言われています。また、内耳の中の気圧センサーが自律神経と連動をしていて、変化(ストレス)を脳に伝えることで頭痛や心の不調などさまざまな症状を引き起こします(気象病について 参考:書籍 ビジネスパーソンのための低気圧不調 医師 佐藤純 (著))。
東洋医学でみると、「気象病」は、体に余分な水が溜まっている「湿邪」によるものとしています。湿邪の影響を受けている時には、脾の運化作用(飲食物を消化吸収して体に必要なエネルギーを全身に運ぶ働き)も弱っていることが多いので、胃腸の調子を整えることも、予防につながります。また、水を溜めにくく、むくみにくい体をつくるため、血流を良くすることや、入浴時には、湯船に浸かることも大切です。適度に運動することを習慣にして、じわっと汗をかける体にしましょう。自律神経を整えるために、バランスの良い食事や充分な睡眠をとって規則正しい生活を心がけましょう。
特に秋から冬へ向かっている時は、首元、足首、手首を温めることなどをして、体を保温して過ごすことが大切だと考えています。
代表的な漢方薬として、五苓散、苓桂朮甘湯、半夏白朮天麻湯など、余分な水を取り除く作用のあるものを用います。気上錠(剤盛堂薬品・第2類医薬品)は、余分な水を取り除く生薬(茯苓、桂皮、白朮)と、脾胃を整える生薬(人参、黄柏)などが配合されています。胃腸を整えながら、体の水はけを良くしていくので、胃腸が弱っている時にも、良いお薬です。症状の軽いうちに服用すると、回復が早いです。
けやき堂では、個別に健康相談を承っています。季節の変わり目や気圧の変化、体の冷えなどでお困りの症状についてのご相談、選薬など、事前にご予約ください。当日のご予約が可能なこともありますので、電話でまず空き状況をお尋ねください。(岡北)