風邪のひき始めには、すぐ漢方薬で手当てをする
秋から冬に向けて気温が急に下がると、風邪をひきやすくなる人がいます。風邪の対応は、ひき始めの半日から1日が勝負です。この期間に治すつもりで、手当てに専念してください。
背中がゾクゾクする、着込んでも寒さがとれない時は、寒気して風邪をひき始めているのかもしれません。頭痛・関節痛の場合もあります。ひいたかなと思ったらすぐ30分以内に風治散(ふうじさん) 1包と、紫華栄(しかろん) 1-2包を飲む(白湯に溶かして、まだ温かいうちに飲むのが一番効きます。熱湯で溶かしても可)ことをお勧めします。3時間おきに1日3回(食前、食後に関わらず飲んで可)飲むと、寒気が半日から1日で取れます。
そして、早めに就寝しましょう。
「風治散」の処方構成は、葛根湯(かっこんとう)と同じです。風治散の製法(生薬の抽出方法)にこだわりがあるため、けやき堂薬局では葛根湯ではなく、敢えて「風治散」と呼んでいます。風治散では最新の技術を用い、じっくり有効成分を引きだしています。お湯で生薬を煮だしている時に、揮発成分が飛んでいかないよう、揮散を抑えています。また、原料生薬以外に、賦形剤(抽出後、粉末にするときに、つなぎとして使うもの)は、デンプンのみ使用しています。そのため「香りの良さ」「口に含むとすぐに溶ける溶解性の良さ」が特徴です。当店では常連のお客様が、常備薬として風治散を指名して購入に見えています。
「紫華栄(しかろん)」は、風治散と同じ、和漢薬研究所(群馬県に工場があります)で作られています。生薬8種類で構成されている、和漢薬研究所オリジナル処方です。滋養強壮作用に優れています。1992年から販売開始され今年で30年になるそうです。安全性と有効性に優れたお薬です。家庭の常備薬としてお勧めです。家族にも飲ませています。
風邪をひいた時、何のウイルス・細菌が原因なのか、一般的には調べることがありません。それだからこそ、早めに治すことが大事だと考えています。これは私(岡北)の意見ですが、風邪のひき始めの根本治療に限って申し上げると、炎症止めを飲むことよりも、漢方薬を飲んだ方が治す力として優れています。適切な時期に、症状に合った使い方をすれば、自分自身で治すことができます。したがって漢方薬は風邪のひき始めのセルフケアに優れています。
その一方で、風邪は一旦こじらせてしまうと、漢方薬だけでは治りにくくなる場合があります。西洋薬の力を借りる必要が出てくる場面もあります。改善するのに時間(日数)がかかります。だから、ひき始めの手当てがとても大切です。