月別アーカイブ
記事の月別バックナンバーのページです。

寒さの厳しい季節を 元気に過ごすための工夫

 東洋医学の考え方で、冬は「腎(じん)」の季節とされています。腎は、主に、発育や成長、加齢、生殖、水分代謝に関わる機能を担っています。耳、陰部、髪、骨などに影響を与えます。腎は寒さが苦手で冷えには弱いため、体を冷やすことは腎の弱りにつながり、様々な不調をもたらすことがあります。

 例えば、免疫力が低下して感染症にかかりやすくなります。また、腰痛、頻尿、膀胱炎、無月経などが現れることがあります。

 腎を守り、元気に過ごすための工夫として、3つご提案します。
1 下半身(おへそから下)を冷やさないよう保温に努めること
2 生野菜や刺身などの生ものの摂取を控えて、火の通った温かいものを食べること
3 日光浴をして陽気を取り入れること
です。

 気は、体を流れるエネルギーであり、陽気と言われます。気は体を温めたり、新陳代謝を高めたりする働きがあります。それは日陰にいる時よりも、日向ぼっこをしている時の方が温かく感じられるのと同じで、適度に日光浴をすることで外界から気を取り入れることが出来るのだと考えています。

 簡単に全身を温めたいなら、お風呂に入って冷えや疲れをとるようにしましょう。ユズ湯や、発泡入浴剤を利用してお風呂に浸かるのもいいですね。ユズの香りには、リラックス効果があると言われます。発泡入浴剤をお風呂のお湯に完全に溶かした後に入浴をすると溶けた炭酸ガスで疲労回復を期待することができます。

 温灸器を使って温める場合は、まず耳(腎の入り口)、首(大椎:だいつい:首を前に倒したときにえり首のところに飛び出る骨の下:体を温めるツボ)、神闕(しんけつ;へその位置、体のエネルギーを増やし、新陳代謝や血液循環を促進する)がお勧めです。温灸器の手持ちのないときは、カイロで代用も出来ます。温灸器を使って温めたほうが、モグサの働きで効果的です。

 店内で温灸体験することも出来ます(予約制、通常1回30分 500円税込)。
 
 以上、寒さの厳しい季節を元気に過ごすための工夫として参考にして下さい。

2023年12月31日

冷えにお勧めの代表的なツボ

 アンケート調査によると女性の7割が体に冷えを感じているそうです。男性にも、4割の人に冷え症を自覚しているそうです(養命酒製造株式会社のアンケート)。
 けやき堂薬局の場合は、お客様が冷え症だけで初回カウンセリングに見えるのではなく、お悩みの症状の一つに体の冷えもあるとお話をされることが多いです。漢方を服用することで体温の適度な上昇や、冷えの自覚が軽減します。

 今年の冬至は、12月22日(金)です。東洋医学では、自然界の陰陽の転換期としています。彼岸から冬至に向けて夜が長くなっていく(陰気が増す)ことから転じて、太陽の昇っている時間が長くなります(陽気が増す)。
ご存知のとおり、冬至の日にカボチャを食べたり、ゆず湯に浸かったりするとよいという言い伝えがあります。
かぼちゃは、脾と胃(胃腸)の働きを整え、体をあたためて体力の回復を助ける食材です。ゆず湯に浸かるといいと言われる理由は、ゆずのもつ強い香りで邪気を払うからだそうです。かんきつ類の香りには、気の巡りを良くする働きがあるので、精神疲労をとるのにもお勧めです。

冷え症には大きく分けると3種類あることをご存知ですか?
(1)熱の産生が低い 食事量が少ない、胃腸機能の低下や筋肉量の不足により、体の熱を作れない
(2)新陳代謝が低い 寒さにより末梢の血管が収縮して、すみずみまで血液が流れにくくなる
(3)自律神経の乱れ 暑さや寒さを感じとる調節がうまく働いていない。実際に体が冷えていなくても、冷えを感じることがある。
上記に挙げたタイプに加え、個々の生活背景と体質に合わせた、過ごし方のポイントやお勧めの漢方薬があります。過ごし方のポイントを知りたい方や漢方薬を希望される方はご予約の上で相談ください。

◎冷えにお勧めの代表的なツボ(参考:てあての手 ツボ解説書 (監修)邵輝) 
〇命門(めいもん;へそのちょうど後ろ側の位置。腰の上)
〇三陰交(さんいんこう;内くるぶしから上に約5㎝)
〇太衝(たいしょう;足の第一指と第二指の股の付け根の位置)
※ツボの位置は目安です。温灸、指圧でセルフケアをすることが出来ます。

◎ツボ押しの3つのポイント(参考:きょうの健康2022.12より)
(1)指は垂直に力を入れて、ゆっくりと押す
(2)力を入れ過ぎず、「痛気持ちいい」と感じる程度の強さで押す
(3)5秒間ほど押し、何回か繰り返す

 邵氏温灸器(医療器具)を用いると、ツボのあたりを温めるだけで、体を温めることができるように工夫して作られているで、便利です。

 以上、寒い冬を元気に過ごすために、参考にして下さい。

 お店で温灸体験も出来ます。ほっとくつろぐことができます。所要時間30分、予約制、1回500円(税込)です。

2023年12月4日