風邪の95パーセントはウイルスによるもの
風邪の95%はウイルス(抗生剤が効かない微生物)由来で、残り5%は細菌によるものです(かぞくの医学 本間真二郎(著)より)。
一般的に、のどの痛みには炎症止め、発熱時に解熱鎮痛剤、痰の出る場合には、痰をやわらかくするためのお薬を処方されます。これらの新薬(西洋医学の薬)は、発熱や痛みなど体に起こるつらい症状を一時的に緩和させる目的で出されています。新薬の作用時間が過ぎると、再びつらい症状が現れます。
それとは別に抗生剤の内服は原因となる細菌の種類が分かっている時に最低限使用するのがふさわしく、予防目的で飲むのは良くありません。服用により悪玉菌とともに日和見菌、善玉菌も壊してしまうので腸内環境を乱してもとの腸内に戻すのに時間がかかります。また、耐性菌が現れる可能性もあるからです。
感染症にかかった後、新薬を使用する場合も、しない場合も、最終的には体内に備わっている免疫が働くことでウイルスを退治し風邪などを治しています。
寒い時期には、体温を維持するために、多くの熱を体内で作り出す必要があるため、エネルギーと体力をたくさん使います。体の保温に努め、バランスの良い食事と、充分な睡眠を摂って体力を維持するようにしましょう。前日の疲れを、翌日に持ち越さないことです。言い換えると、睡眠をとったら、翌朝には体力が完全に回復している状態が一番望ましいです。免疫が働いて、感染症の予防になります。
風邪の時に用いる漢方について。寒気、又は関節痛などが現れて、風邪をひいたかもしれないな、と思ったらすぐに(30分以内に)風治散(ふうじさん)と紫華栄(しかろん) 各1包をお湯に溶かして服用します。寒気や関節痛が治まるまで、3時間おきに1日3回お飲みください。風治散で血行を良くし体を温めます。寒気が治まったら、風治散の服用を終了します。紫華栄には、解毒(異物の排除)と体力を底上げする役目があります。回復力をつけておきたい場合は、そのまま継続して紫華栄を服用します。この他、症状にあわせてさまざまな漢方を選薬しています。
ご自宅に、ご自身や家族の風邪のひき始めに現れやすい症状に合わせて、風治散や、紫華栄などを3日分は常備しておくと、便利です。早朝や夜間、休日など急な症状にすぐ対応することができます。