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漢方の良さについて個人的な意見

 現代は一年を通してどのような食材でも、ほとんどのものを手に入れることができます。
そうはいっても、なるべく四季折々の旬の食材を中心に、食事へ取り入れたいです。旬の食材は、栄養価が高めですし、比較的手に入れやすいからです。

 その一方で、今は旬に関係のない食材も出ていて、室内で栽培されているトマトやレタスなどの野菜類やキノコがありますね。天候に関係なく年間を通じて安定供給されています。30年前と比べると食材の選択肢がだいぶ増えています。栄養価もあるようなので、旬のものと上手く織り交ぜて食事に取り入れるといいですね。

 食事だけで充分に栄養を摂ることができない時や、適度な運動や休養を取るようにしていても疲れの回復が遅い時には、漢方の活用をお勧めします。漢方薬~さらに気軽に飲める民間薬まで選択の幅があります。

普段お仕事をしている方や、家事をしている方は、平日や日中に活動する時間を増やして、休みの日などにやりたいこと、やるべきことに時間を作れるようになるので、より有益に過ごすことが出来るようになります。

 育児中の方も、体に合った漢方を利用することで生き生きと育児に向きあえるでしょう。ご機嫌に過ごすことができるようになると思います。その上、漢方で加齢に伴う身体的変化に対するメンテナンスと、健康寿命を延ばすことに貢献出来るものと、私は確信しています。

 常連のお客様のなかには、漢方を飲み始める前と比べると、深く眠れるようになったし、体力が週末まで続くようになったとおっしゃる方が多数います。

  一般的に漢方は『長期服用しないと効果が現れない』と認識されていますが、短期の服用で体感を得やすいものもあります。漢方になじみのない方には、疲労時や風邪のひきはじめの時などスポットでお飲みになられてみて、漢方の良さを実感していただければうれしいです。(岡北)

2024年6月14日

梅の果肉と、夏の疲れ対策

 6-8月は梅の旬です。梅は古くから日本人になじみ深い食材です。梅酒や梅干しといった食品でおなじみです。梅干しは食中毒の予防や食欲増進に、梅酒は夏の疲れ(夏負け、夏ばて、暑気あたりとも言います)に良いです。梅の果肉が酸っぱいのは、クエン酸がたくさん含まれているからです。

 梅の実は薬用としても用いられます。生薬「烏梅(うばい)」は、梅の未熟な実(青梅)を燻(いぶ)して乾燥させたものです。烏(からす)のように真っ黒い色をしていることから、この名がつけられています。胃腸の働きを整える作用や抗菌・抗真菌作用があり、体を温めます。生で青梅を食べると、食中毒を起こして腹痛になります。しかし青梅が熟成すると腹痛を起こす成分(青酸)が蒸散(外の発散)して、毒性がなくなります。

 中国や台湾では、烏梅とサンザシや甘草、砂糖などをお湯で煮出して、暑気払いの飲み物にして、生活に取り込んでいます。その飲み物は梅湯(サンメイタン)と呼ばれ、甘酸っぱい味がします。

 梅肉膏は、青梅の果肉をすりおろし、布巾でしぼった汁を天日で濃縮、またはゆっくり加熱して煮詰めたものです。江戸時代から伝わる日本独自の民間薬です。一般的に、梅肉エキス、または梅エキスと呼ばれています。現代では、梅肉エキスは健康食品として分類されていますが、昔は薬として用いられてきました。
 興味深いことに、梅の果肉に豊富に含まれるクエン酸と糖の一種が、熱をくわえられることで変化して「ムメフラール」という成分が生み出されることが明らかになっています。最近、このムメフラールには、血行促進や代謝アップする作用がわかっています。(岡北)

参考書籍、資料
漢方のくすり事典 鈴木洋(著)
食材大全 NHK出版(編集)

2024年6月10日