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この冬に多い、健康相談の内容(1月)女性の更年期の症状、慢性疲労など

この冬、けやき堂薬局で多いご相談は、女性の体の悩み(更年期の症状、子宝、生理前の心身の不調)、アレルギー(鼻炎、副鼻腔炎)、風邪の予防、風邪(のどの痛み、咳)、自律神経の症状(不眠、慢性的な疲れ)などです。

1年を4つの季節に区切り、さらに6つに分けて24等分に分けた暦を二十四節気といいます。その二十四節気で今年の寒の入りは、1月6日です。寒さが本格的になる頃です。そして1月20日~2月2日まで「大寒」で1年の中で最も寒さの厳しい頃と言われています。

2025年1月5日

冬季うつ対策 日常生活の工夫と食べ物

秋、冬の間中、日の短い時期になると、意欲が低下する、何事もおっくうに感じる、たくさん寝ているのに、眠気を強く感じるのなら、冬季うつの症状かもしれません。

冬季うつは、学術的に言いますと、「季節性感情障害」の一種です。日照時間が短くなることで、神経伝達物質のセロトニンの分泌が著しく減少することが大きな要因と考えられています。冬季うつは、意欲の低下、日中に強い眠気を感じる、食欲が増して、甘いものや炭水化物をたくさん食べたくなる症状が起こります。そして、春になると、これらの症状が消失するのが特徴と言われています。

東洋医学では、この冬季うつの症状は、気血の不足によるものと考えられています。気血を補うには、胃腸のデリケートな方は、まず脾胃(消化管の消化吸収機能)を良くして食べ物の栄養素が吸収できるように整えることが大切です。脾胃の働きを助ける食べ物に、白菜、しょうが、キャベツ、人参、みかん、紫蘇などがあります。

気血を補う食材は、しいたけ、エリンギ、鶏肉、山芋、なつめ、牡蠣、ぶり、鮭、さばなどです。冬季うつになるとは炭水化物や甘い食べ物にかたよった食事になりやすいので、野菜や肉や魚、卵、豆類などのタンパク質も努めてバランス良くとるようにしましょう。

西洋医学では、「高度光療法」が行われています。5000ルクス以上の人工の光を浴びる方法で板状の光の出る特殊な装置を用います。

日常生活の工夫として、日光浴がお勧めです。太陽の光を浴びる方法にはポイントがあります。それは光が目に届くようにすることです。日中、屋外で過ごす時は、太陽の光を直接見ないように、1分間に10-20秒明るい方に視線を向けます。1日30分間を目安にします。太陽の出ている時間なら、いつでも出来ます。(直接、太陽の光を直接見ると、目の組織が傷ついて視力が低下することなど起こるので直接見ないようにご注意ください。)

屋内で行うには、窓から1m以内の明るいところで30分間ほど過ごします。時々、視線を上に向けて目に光を届けるようにします。太陽の光が斜めに射す朝や夕方が良いと言われています。自律神経の働きを整えるために、ウオーキングやストレッチ、ラジオ体操など軽い運動を取り入れましょう。

また、体の保温をしましょう。東洋医学では、冬は腎(成長、発育、老化と深いかかわりがある)の季節といわれています。腎は寒さが苦手なため、体を冷やすことは、腎の弱りにつながり、様々な不調をもたらすことがあります。寒さのために、体を温める「陽の気(エネルギー、パワー)が消耗しやすい時期ですので、寒さなどの邪を発散させる食材や体を温める食材を摂ることがお勧めです。

発散作用がある辛みのもの、体を温める食材は、しょうが、ねぎ、にら、よもぎなどです。「腎」の精気(生命力に関わる基礎物質とパワーのこと)を補い、陽の気を高める食材に、羊肉、牛肉、ししゃも、にら、長ネギなどがあります。

(以上、参考資料 きょうの健康2024.11、2017.1、クラシエ Kampoful Life サイトより)

漢方、自然薬では、帰脾湯、紫華栄、安静錠などがあります。食事や生活の工夫を行ってもなかなか良くならない場合は、ご相談ください(要事前予約)(岡北)。

2025年1月1日